レーザー加工は、なんといっても仕上がりが美しく、そのまま使用可能な品質です。
レーザーは非接触の加工のため、他の切断方法では変形やバリが発生することがありますが、対象物を傷つけず破損することがありません。レーザーの直径も非常に小さく、複雑な形状の板金製品を高精度・高品質に仕上げられるのも特徴です。
そして、制作物のイメージがありパソコンのソフトで作図すればすぐに作れます。単品からでも対応可能です。また、今までの方式、金型形状による制約が無いため、初期投資を抑えて製作が可能です。
板金加工の自由度、制作スピードは飛躍的に高まり現代にマッチする加工技術と言えるでしょう。

当社ではタレパン加工も選択でき素材や数量によっては、お得な加工方法をご提案できますのでお気軽にご相談ください。

レーザー加工できる主な素材

機械部品、建築金物、店舗の看板等、いろいろな用途があります。用途別に最適な鉄素材をえらび、レーザー加工を行います。繊細な形や曲線など自由な形で美しい仕上がりの加工ができます。

鉄は最も広範囲の用途において使用される金属です。錆びやすいという短所はありますが、塗装、メッキ、表面処理鋼板などでカバーできます。比較的加工しやすく入手しやすい金属で、材質の板厚の種類が豊富で薄板から数十ミリの厚板まであります。
デメリットとしてレーザー加工機特有の穴がテーパーになるので、厚板になるほど入口と出口の差が大きくなります。差を無くすためにドリル、リーマで対応する場合もあります。
タレパンに比べて熱による変形、ソリなどがでる恐れもあります。

レーザー加工できる主な鉄材

JIS記号名称定尺特徴
SS400一般構造用圧延鋼材3×6
4×8
・一般構造用の鉄鋼材で最も使用されている材料です。
・ 流通量が多く、鉄鋼材料の中でも代表的な鉄材です。
・ SPCCに比べ、板厚精度、表面粗度がやや劣ります。
SPCC冷間圧延鋼板3×6
4×8
・ 表面をきれいに仕上げてある鋼板で板厚の精度も良い。
・ 安価で加工しやすい。
・ 塗装、溶接にも適しています。
SPHC熱間圧延鋼板3×6
4×8
・ 表面が酸化膜で覆われており黒皮と呼ばれています。
・ 黒くない物は酸洗により酸化膜を除去した酸洗材です。
・ 比較的厚い強度部材に使用されます。
SECC電気亜鉛メッキ鋼板3×6
4×8
・ 通称としてボンデ鋼板と呼ばれています。
・ リン酸塩皮膜処理と呼ばれる表面処理材です。
・ 塗装、溶接にも適しています。
SGCC溶融亜鉛メッキ鋼板3×6
4×8
・ 表面に両面等厚の溶融亜鉛メッキを施した処理鋼板です。
・ メッキ層が厚いため耐食性に優れています。
・ 塗装前処理や防錆処理が省け、環境にも良い。
※定尺サイズ:3×6(サブロク)914mm×1,829mm、4×8(シハチ)1,219mm×2,438mm

鉄のレーザー加工事例

SS400t12.0 加工条件の調整
鉄 箱 バッカン 製作
Rカバー製作

ステンレス

ステンレスは錆にくく錆を防ぐためのめっきや塗装をせずに使用できるので、屋外や湿気のある場所、化学薬品を扱う機械器具、食品関係で良く使われています。単品ものなど制作が早いレーザー加工で、様々な分野でのご要望にお応え致します。

ステンレス鋼は「Stainless Steel」と言い、「錆にくい鋼」という意味です。
耐食性、機械的性質、加工性、耐熱性など優れた特性を持つため、食器、厨房用品、建築材料、機械構造部品、医療機械器具、化学工業設備部品、航空機部品など広範囲な分野で使用されています。また、環境に対する社会の関心が高まるなか、100%リサイクル可能な材料として、大変注目されています。
デメリットとしてレーザー加工機特有の穴がテーパーになるので、厚板になるほど入口と出口の差が大きくなります。差を無くすためにドリル、リーマで対応する場合もあります。
タレパンに比べて熱による変形、ソリなどがでる恐れもあります。

レーザー加工できる主なステンレス材

JIS記号表面処理定尺特徴
SUS3042B, HL, BA1000×2000
4×8
・代表的なステンレス鋼として最も使われています。
・ 冷間加工の硬化で微磁性の発生があります。
・ 耐食性、溶接性、機械的性質が良好です。
SUS4302B, HL, BA1000×2000
4×8
・ 一般的なクロム系ステンレス鋼です。
・ 304よりも耐食性、加工性には劣ります。
・ 304よりも価格は低くなります。
SUS3102B, HL, BA1000×2000
4×8
・ 熱に強い高級耐熱鋼種です。
・ 耐熱性も SUS304<SUS316<SUS310の順で、価格も高価となります。
・ 炉材など過酷な条件で使用される鋼種です。
SUS3162B, HL, BA1000×2000
4×8
・ 304をベースに、モリブデン添加量が高い。
・ 304より耐食性、耐孔食性、強度に優れています。
・ 304よりも価格は高くなります。
※定尺サイズ:ステンレスは基本的にメーター板です。メーター1,000×2,000mm
※大きいサイズは鉄と同様です。4×8(シハチ)1,219mm×2,438mm

ステンレスのレーザー加工事例

SUS304 加工品
パンチング材の加工
SUS枠の製作

アルミニウム

熱伝導性・電気伝導性が高い事から自動車やオートバイのエンジン等に使用されています。軽く軽量化が必要な材料としても選ばれています。単品ものなど制作が早いレーザー加工での迅速なアルミ加工が可能です。

アルミニウムは鉄の約35%の比重であり軽量で、軟らかくて展性も高いなど加工し易い性質を持っています。軽量であることに加え溶接性や耐食性、成形性、熱伝導にも優れていることから、構造材料をはじめとして電気機器の筐体、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、コンテナなどでも多く使用され、身近なところでは台所の器材・各種容器などに使用されています。

デメリットとしてレーザー加工機特有の穴がテーパーになるので、厚板になるほど入口と出口の差が大きくなります。差を無くすためにドリル、リーマで対応する場合もあります。
鏡面材のアルミはレーザー光の反射率が高いのでレーザー加工はできません。
また、ケガキはできない。鉄、ステンレスに比べバリが多く発生します。(バリ取りで対応)
タレパンに比べて熱による変形、ソリなどがでる恐れもあります。

レーザー加工できる主なアルミニウム材

JIS記号定尺特徴
A50521000×2000
4×8
・ マグネシウムを添加して強度と耐食性を向上させた合金です。
・ 中程度の強度があり、耐食性・溶接性が良いです。
・ 一般的な工作に一番向いている材料になります。
A10501000×2000
4×8
・ 純度99.50%以上のアルミニウムです。
・ 加工性・表面処理性が優れ、耐食性はアルミニウム合金中最も優れています。
・ 反射性、導電性などの特性を活かした製品などに使用されています。
A20171000×2000
4×8
・ ジュラルミンと呼ばれている材料です。
・ 耐食性・溶接性は劣るが、鋼材に匹敵する強度を持っています。
・ 溶接性は他のアルミ合金に比べて劣り、スポット溶接を使用します。
A1100
アルマイト材
1000×2000
4×8
・ 純度99.00%以上の純アルミニウム材料です。
・ A1050の特性に加え、加工による肌荒れが少なく成形加工も良好です。
・ 溶接性、耐食性にも優れ、強度もA1050よりやや高めのため広く使われています。
※定尺サイズ:ステンレスは基本的にメーター板です。メーター1,000×2,000mm
※大きいサイズは鉄と同様です。4×8(シハチ)1,219mm×2,438mm

アルミニウムのレーザー加工事例

板金アルミ部品製作

アルミ部品 製作

アルミ縞板 車部品

銅は銀に次いで電気導電性に優れ、その伝導率は約94%と高く、さらに銀より格段に安価なため広く普及しています。錆びやすいので金メッキをすることが多いです。

通常、銅のレーザー加工は断る業者が多いです。
その理由は2つあり「レーザー反射によって機械が壊れるリスクがある」「材料がとても高価で失敗すると損害が大きい」ということがあります。

当社では、銅の加工が問題なくできる「ファイバーレーザー加工機」を設備しており、板の厚みも10mmまで加工対応が可能です。

仕上げをキレイにするため、低品質なものになりがちなフルスピード・フルパワー切断では無く、出力を少し抑えての切断で、高品質な製品をお届け致します。

レーザー加工できる主な銅材

JIS記号名称特徴
C1100Pタフピッチ銅板・酸化銅(I)[Cu2O](注1)の状態で酸素を0.02~0.05%含む銅 99.90%以上の高純度銅の非鉄金属。
・導電性・熱伝導性に優れ、展延性・絞り加工性・耐食性・耐候性がよい。
・電気・熱の伝導性に優れるが、還元性雰囲気中で高温加熱すると水素ぜい化を起こす場合がある。
C1020P無酸素銅板・酸化銅(I)[Cu2O](注1)や残留脱酸剤を含まない銅 99.96%以上の高純度銅の非鉄金属。
・導電性・熱伝導性・展延性・絞り加工性に優れ、溶接性・耐食性・耐候性がよい。
・還元性雰囲気中で高温に加熱しても水素ぜい化を起こすおそれがない。
・タフピッチ銅と比較すると、より抵抗や歪みが少なく工業的に優れている純銅。
C1201P・C1220P・C1221Pりん脱酸銅板・りんによって脱酸(注2)され、酸化銅(I)[Cu2O](注1)を含まない銅 99.90%以上の高純度銅の非鉄金属。
・残留りん量によって高りん脱酸銅と低りん脱酸銅とがある。
・高りん脱酸銅は、水素ぜい化の心配はないが、導電性が低下する。低りん脱酸銅は、導電性の低下は少ないが、条件によっては水素ぜい化のおそれもある。
・展延性・絞り加工性・溶接性・耐食性・耐候性・熱伝導性がよい。
・通常、市中品として流通するものは、C1220P が一般的。
(注1)
酸化銅とは、銅及び高銅合金などを、酸化雰囲気中で加熱する際に表面に生成する銅と酸素の化合物のこと。酸化銅(Ⅱ)[CuO]、酸化銅(Ⅰ)[Cu2O]の2種類があり、酸化銅(Ⅱ)は最表層部に生成し、黒色を呈し、酸化銅(Ⅰ)は前者の下層部に生成し、赤褐色を呈す。
(注2)
脱酸とは、金属又は合金の溶湯中の酸素を除去する処理のこと。りん、マンガンなどが脱酸剤として用いられる。

銅のレーザー加工事例

銅2tのレーザー切断加工

銅10tのレーザー切断加工

銅1.5tのレーザー切断加工

真鍮

真鍮は銅に亜鉛を加えた合金で、耐食性や加工性、熱伝導率、導電性などが高く加工に適しています。また、外観が美しく仕上がるため、ひと目に触れる部分にも使いやすい点も大きな魅力です。

真鍮は、切断や削りといった加工がしやすいメリットを持ち合わせており、精密加工を通して機械部品としても使用されます。ただし、酸化しやすく水分にも弱いため、湿度の高い環境や直接手で触れるなどによって黒くなり、錆びてしまう欠点もあるため、ニッケルやニッケルクロムなどのメッキ処理が必要です。

また、性質上溶接による加工は難易度が高く、熱による影響の少ないレーザー加工との相性が良くなっています。

レーザー加工できる主な真鍮材

JIS記号 名称 特徴
C2801P 真鍮板・黄銅板3種板(旧JIS記号:BSP3)とも言われ、比重(密度)8.43。銅が約60%、亜鉛が約40%であることから、「六四黄銅」、「60/40黄銅」などと呼ばれる場合もある。
・強度が高く、展延性がある材料で、一般板金用として広く用いられ、市中品の真鍮板として最も一般的に流通する板金材料。
・打ち抜いたまま又は折り曲げて使用する配線器具部品、ネームプレート、計器板などに用いられる。
C2600P真鍮板・黄銅板1種板(旧JIS記号:BSP1)とも言われ、比重(密度)8.56。銅が約70%、亜鉛が約30%であることから、「七三黄銅」、「70/30黄銅」或いはイエローブラスなどと呼ばれる場合もある。
・展延性・絞り加工性に優れ、めっき性がよい材料。端子コネクタ、自動車ラジエター、カメラなどに用いられる。
C2680P 真鍮板 ・黄銅板2種板(旧JIS記号:BSP2)とも言われ、比重(密度)8.47。銅が約65%、亜鉛が約35%であることから、「65/35黄銅」などと呼ばれる場合もある。
・展延性・絞り加工性・めっき性がよい材料。
・スナップボタン、カメラ、まほう瓶などの絞り用、端子コネクタ、配線器具、機械部品などに用いられる。

真鍮の加工事例

ドアオープナー レーザー切断加工

真ちゅうのレーザー切断加工

真鍮5tのレーザー切断加工